混乱極めるフランス経済

混乱極めるフランス経済

フランスはEU屈指の農業国であり、「EUの穀倉」とも呼ばれています。南仏のトゥールーズでは、航空機産業が盛んで、関税撤廃されているEU諸国と協同しつつ順調に発展しています。一見すると、経済的にも余裕があるように見えるフランス経済ですが、実際のところその内情は火の車だったりします。

フランスの経済状況

フランス経済の悪化にはいくつかの要因があります。その一つが高い失業率です。2012年の後半から、およそ失業率は10パーセント台。ユーロとして市場統合したのは良いものの、増え続ける外国人労働者に仕事の量が追いついていない状況です。
これに加えて、ISから逃れてきたシリア難民の受け入れが財政を圧迫しています。難民にも労働許可は与えられているので、仕事の奪い合いも熾烈です。残念ながら、仕事にありつけない人が増え続けており、治安もよくありません。200人以上の死傷者を出したパリ同時多発テロや南仏ニースでのテロ事件なども起こっており、社会不安は増える一方です。

フランスの行政状況

社会保障制度が充実しているとはいっても、消費税は最高19.6%。所得税・法人税も日本以上の税率で、ガソリン税など特定の品目に対してかかる税金の数も多いため、人々の不満は高まるばかり。オランド大統領以降、年収1000万ユーロ以上の富裕層に対しては、75%の所得税率が適用されています。それによってベルギーなどに国籍を移す人々も増え、財政改善にはほど遠い状況です。
フランスでは大統領の権限がかなり強いのですが、度重なる増税にストライキも多く、経済的成長を阻害しています。石油産油国ではないため、多くのエネルギーを原子力に頼っている面でも、政府や個人の負担が大きい国といえます。

おわりに

ファッションや観光の国として華やかな一面を持つフランス。しかしながら、フランス経済自体は混迷を極めており、政府も増税をせざるを得ない状態です。今後難民の増加やさらなる経済の悪化が懸念されており、経済的な苦境は長期化する恐れがあります。

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