スイスフラン高騰!何が起こったのか

スイスフラン高騰!何が起こったのか

スイスフランが高騰した背景

スイスといえば、アルプスの少女ハイジの世界を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。アルプス山脈では移牧が行われ、良質なミルクで作るチョコレートが人気のお土産。
そんなスイスは、国際的には永世中立国として、いわゆる「戦争をしない国」として知られています。
スイスの通貨は「スイスフラン」です。EUに加盟する国々に囲まれていますが、スイスはEUにも属さずまさに通貨の世界でも孤高の存在。

そんなスイスフランが高騰する事件が起こってしまいました。
スイスフランの高騰によって、スイスだけでなく世界経済も揺れ動いてしまった、その仕組みについて説明します。

スイスフラン高騰が起きた原因

まず、スイスフランが高騰したのは、投資家によるスイスフランの空売りが原因です。スイスは国家政策としてスイスフランが高くなりすぎないように、対ユーロのレートの下限を定めました。下限を切る、つまり一定以上のユーロ安スイスフラン高になったら、スイスフランを安くするために、スイス銀行がユーロを買い支える政策をとったのです。もちろん、スイス銀行が沢山のスイス・フランを発行してということです。
これにより、スイスフランが高くなりそうになったら、スイス銀行がユーロを買うということが繰り返されました。しかし、スイスフランを発行してユーロを買い占めることを続けた結果、スイス銀行は大量のユーロを保有することになりました。スイス銀行もついに買い支えられなくなり、ユーロの買い占めをやめてしまいました。
そしてスイスフランは一気に高騰したというわけです。

スイスフラン高騰の影響

スイスフランが急激に値段を上げたため、空売りをしていた投資家たちは大損をしまいました。しかも、空売りですから架空のマネーゲームで破産した企業や個人は数知れず。ユーロにかぎらず、スイスフランをドルや円で買っていた人も煽りを受けてしまいました。
しかし、スイスとしても景気改善が見込めないユーロを持ち続けるのも限界ということで、様々な条件が重なりスイスフランの暴騰が起こってしまったわけです。おまけにユーロ安になったことで、安全資産である円高も進み、日本の輸出企業や円安にふれると思っていた人たちは大損を蒙りました。

おわりに

スイスフランの高騰は、スイスフランの動向が世界経済に影響を及ぼすことをよく示す出来事でした。特にスイスフランや日本円は、世界的に危機になったとき高くなる傾向があり、その動向は注意すべきものといえます。

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